多様化した働き方の恩恵

 IT関係の仕事はハードな仕事が多いので、男性が多く働いていた。だが近年は働き方が多様化されてきて、パートやアルバイトといった働き方も出てきている。忙しい時期だけのアルバイトや、仕事が集中する時間帯だけのパートなどを雇用することで、他の社員の負担が減り、効率がアップするのだ。

 エンジニアの仕事がとくにこのような仕事が集中しやすい仕事かもしれない。だが派遣で人材を補充するには経費がかかりすぎてしまったり、継続が難しいこともある。そこで結婚や育児など生活環境の変化によって一度は離職した女性のエンジニアを活用するという方法もあるのだ。育児や家事をしながらでも、短時間の仕事をしたい、社会と関わっていたいと考える女性はたくさんいる。特に子供がいる家庭では、将来の教育費などを考えると収入は多い方が安心できるだろう。扶養扶助の規定も変わったことで、収入に対して制限を考えない女性も増えたことだろう。
 そしてエンジニアとしてのキャリアやスキルがあるのだから、企業にとってはとても助かる人材と考えて良いのではないだろうか。急な休みが考えられるからと、子育て中の女性を雇用することに躊躇する企業もあるが、これからは短時間勤務の女性が社会を活性化していく鍵になるかもしれない。現状のことだけでなく、企業の将来、やがてくる社会の流れを考えて、早くから女性エンジニアを育てることや、離職、復職について対応策を考えておく企業が長く愛される企業になっていくのではないかと思うのだ。

 もちろん女性も環境に甘えず、エンジニアとしてのスキル、キャリアを磨く努力は必要だ。企業と働く人の双方が努力することで、大きな成果を生みだすことができるのではないだろうか。