未経験のエンジニアに対して企業から求められるのは無論、技術力ではない。技術力というのは経験によって培われるものであり、最初に求められるのはその経験を積むために必要となる精神的タフネスさである。特に開発に関わるプログラマーのようにIT方面だと地道にコツコツ頑張る真面目さとセットで、そのタフネスさが要求される。
タフネスさが要求される最大の理由は、開発の納期が近づくにつれて長時間残業が発生しやすくなる現場が多いからである。とりわけ不具合が頻発すると毎日のように終電まで残ったり、場合によっては解決するまで泊り込みになるケースもある。女性の場合は特に、家に何日も帰れないという忙しさは男性以上にストレスになることもあるだろう。
そういった忙しさのピークを乗り切る精神的タフネスさは、特に忙しい納期前だけでなく普段の業務でも重要となるときがある。例えばクライアントからの突然の仕様変更や、上流工程でのミスによる手戻りなどの突発的な忙しさに対応するケースだ。これらの例からも分かるようにエンジニアは突然に長時間の残業になるリスクをいつも抱えている。その忙しさは技術力でカバーしきれるものではなく、体力や気力といった要素のほうが重要である。
その点、女性は精神的タフネスさにおいて男性より強いと認識されている。忙しすぎてうつ状態になるのは男性の方が多いと言われているためだ。とりわけ納期前の厳しい長時間勤務にも耐えるタフネスさが、特に女性の未経験エンジニアには求められるだろう。